大阪府財政援助団体等監査結果について(4/4)

平成26~25年度補助金に対する大阪府の財政援助団体等監査では、公益財団法人に対し、以下のような検出事項等がなされています。

 

(平成27年実施)

・公益財団法人A

(検出事項)

棚卸資産は、年度末の各医材料の金額(実地棚卸数量×単価)を集計して計上されているが、実地棚卸数量を集計する過程で、平成27年度に計上すべき4月度納入分(200個)を平成26年度末の医材料として在庫管理表に記載したことにより、貸借対照表上において棚卸資産が1,670,000円過大に計上されていた。

 

・公益財団法人B

(検出事項)

1、貸借対照表上、回収期限が貸借対照表の翌日から起算して1年を超えて到来する貸付金(189,307,024円)は、固定資産の部に長期貸付金として表示する必要があるにもかか わらず、流動資産の部に計上していた。

2、投資有価証券(5,848,560,308円)は、保有目的によって 会計処理が異なるため、取得時に保有目的を決定・明確化し記録する必要があるにもかかわらず、保有目的の文書等が作成・保存されていなかった。

3、財務諸表の注記において、消費税及び地方消費税の会計処理に関する注記をしていなかった。

 

(平成26年度実施)

・公益財団法人C

(検出事項)

公益財団法人Aは、特定資産として国際交流事業積立資産を保有しており、平成25年度の残高は1,793百万円であるが、平成25年度の貸借対照表において、国際交流事業積立資産は1,741百万円と記載されていた。差額の52百万円は、特定資産の項目の普通預金として記載されており、公益法人会計基準注解に準拠した保有目的を示した独立科目での表示が行われていない。

 

・公益財団法人D

(検出事項)

リース債務のうち貸借対照表の翌日から起算して支払期限が1年以内に到来するものは、公益法人会計基準等に準拠すれば流動負債に計上すべきであるにもかかわらず、平成25年度決算において、固定負債に計上されていた。

大阪府財政援助団体等監査結果について(3/4)

平成26年度補助金に対する大阪府の財政援助団体等監査(平成27年度実施)では、公益財団法人に対し、以下のような検出事項等がなされています。

・公益財団法人A

(検出事項)償却額が費用となるものに限り償却原価法を適用することは、過度に保守的な会計処理となっているため、公益法人会計基準注解及び公益法人会計基準に関する実務指針に従い、差額の重要性により適用の有無を判断されたい。

1、公益法人会計上、固定資産の計上に係る基準は各法人の判断に委ねられており、各法人は会計規程等において当該基準を設定している。公益財団法人Aでは、平成21年に会計規程を改定しており、改定前の会計規程では耐用年数が1年以上かつ取得価額が20万円以上のものを固定資産として計上する基準を定めていたものの、改定後の会計規程では当該計上基準は削除されていた。そのため、改定後は改定前の基準を準用して運用が行われている。

2、固定資産の実査が適切に行われない場合、固定資産の紛失や遊休などの状況を適時に認識できなくなる懸念がある。しかし、会計規程において、固定資産台帳と現物の照合に係る定めがなく、実際に商号は実施されていた。

 

・公益財団法人B

(検出事項)公益財団法人Bは、5つの公益目的事業会計と法人会計に区分し会計処理を行っている。

公益目的事業会計のうち、C博物館事業会計及びD博物館事業会計に関する事務管理業務については、法人本部事務職員が担当している。平成25年度から従事実態を考慮して、人件費をそれぞれの事業会計に配賦している。しかし、各事業の従事割合等客観的な配賦基準に基づくものではなく、毎期異なる配賦方法で当該職員の人件費に係る配賦計算が行われていることから、実態を適切に反映した人件費の配賦計算が行われているのか判断できない。

大阪府財政援助団体等監査結果について(2/4)

平成28~27年度補助金に対する大阪府の財政援助団体等監査では、公益財団法人に対し、以下のような検出事項等がなされています。

(平成29年度実施監査)

・公益財団法人A

(検出事項)

固定資産管理帳簿に登載されているにもかかわらず、現物が確認できないものがあった。 固定資産管理規則では、使用責任者は使用している固定資産の増減・使用状況等の把握のため、毎年度、固定資産管理帳簿等と物件との照合を行い、差異を認めたときは、原因を調査し、固定資産管理者及び会計課長に報告することとなっているが、本件については報告されていなかった。

(平成28年度実施監査)

・公益財団法人B

(検出事項)

事業年度毎の資金運用方針及び計画案を策定するとともに、商品のリスクや運用経過について、適時に理事会・評議員会に報告し、十分な審議及びチェックを行ったうえで、これを議事録に記載することで、法人のガバナンス機能の拡充、意思決定過程の明確化を図られたい。また、公益財団法人B適時に運用内容を把握できておらず、不測の事態に対応できない恐れがあることから、商品別にリスク内容を明らかにするとともに、取得価額と時価を比較できるように資料を整備されたい。理事会においては資金運用規程第9条第2号に基づき債券一覧表が提出されているが、仕組債のリスクの詳細については記載されておらず、説明も行われていないため、リスクの共有が図られていない。

会計システム及びインターネットバンキングにおける支払伝票の起票、支払データの作成及び送信処理が同一の担当者によって行われており、マネージャーの関与は書面のみとなっていることから、支払業務に関するリスクを十分に軽減する仕組みになっていない。

納品を受け検収した時点で未払金の計上を行い、今後は適正な事務処理を行われたい。

・公益財団法人C

(検出事項)

固定資産台帳と現物(固定資産の貼付シール)を一致させるとともに、今後は適正な事務処理を行われたい。

大阪府財政援助団体等監査結果について(1/4)

平成28年度補助金に対する大阪府の財政援助団体等監査(平成29年度実施)では、公益財団法人に対し、以下のような指摘事項等がなされています。

・公益財団法人A

(指摘事項)

平成27年4月30日に取得したソフトウェア2件は、異なる固定資産であるにもかかわらず、取得日・耐用年数ともに同一であることから、固定資産台帳上に一括して登録していた。  また、それぞれ取得価額が異なっているため、どちらか一方を除却する場合には対象資産の除却時の簿価を算出する必要があるため、取得時の資料に遡って取得価額を確認しなければならない状態となっていた。

 

・公益財団法人B

(検出事項)賞与引当金算定の正確性について確認したところ、以下の事項が検出された。

1、賞与に対して社会保険料等(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料 及び雇用保険料)が発生することから、賞与引当金の算定に当たっては法人負担の社会保険料等を考慮すべきであるが、考慮されていない。このため、社会保険等の料率を15%とすると、3,800,954円(賞与引当金既計上額25,339,694円×社会保険等の料率約15%)が過小計上となっている。

2、賞与引当金は、翌期に支給する職員の賞与のうち、支給対象期間が当期に帰属する支給見込額について設けられる引当金であるから、4月1日以降採用予定者分は考慮すべきではないが、算定資料を確認したところ、4月1日 以降採用予定者分が賞与引当金の計算に含まれていた。このため、246,140円(採用予定者2名支給予定額430,746円×4/7)過大計上となっている。

3、賞与引当金の計算において、6月度の支給率を適用すべきところ、12月度の支給率が適用されていた。このため、6月度の支給率で計算した賞与引当金は23,570,868円であり、 1,768,826円過大計上となっている(既計上額25,339,694円)。

上 記 の1から3を合計すると賞与引当金は1,785,988円の過小計上となっている。